渡来人の子孫は永遠に増加し続ける?!裁判所に提出された証拠として引用された計算と答え2017/01/01 03:55

渡来人の子孫は永遠に増加し続ける?!裁判所に提出された証拠として引用された計算と答え

 

新年おめでとう。平成29年 元旦

 

「SFマガジン」2016年4月1日号に、1733年前(30年で1世代との考えに依るもの)の58世代前に日本に来た渡来人の子孫が、今、何人くらいいるのかを計算したとの記事が載っていた。

 

ひと組の夫婦が30歳(まで)で二人ずつ子供を残したことにして、二を五八回掛けたという。出てきた答えは、2.88230376151711744E+17(現在の地球の人口72億のおよそ4003万倍)になったという。

 

ねずみ算を利用したと書かれているが、この計算には、渡来人夫婦が必ず二人の子供を残し、その子供らがそれぞれ別の渡来人一家あるいはその他の一家の異性と必ず結婚し、そして、必ず二人の子供を残し、それを繰り返すことが絶対条件とされている。しかし、この渡来人の子孫がどんなに魅力的であっても、そもそも、結婚することのできるだけの人数が、日本はおろか地球上においても不足しており、子供を残すことの出来ない子孫が現れることからも、この計算は現実的ではない。ねずみが永遠に繁殖を続けるのとは訳が違うのである。何をやっているのか、数字が弱い者がいったい何を計算したいのか、何を答えにしたいのか、一生懸命考えて、調べたと書かれているが、まったく理解不能である。

 

さらに驚くのは、この記事を元ネタにし、このような計算結果を前提事実として、「そうだとすれば、我々はほとんど皆、渡来人の血をいくばくかは受け継いでいると言っても過言ではないのではないでしょうか。」と記載した陳述書を、堂々と裁判所に証拠として提出した人物がいることである。この陳述書は、その人物の代理人弁護士も目をとおされている筈でありながら、あり得ない、愚にもつかない計算である事実を見逃していることにも嘆かわしさを通り越して呆れるとともに笑わせられる。

 

お笑い芸人ならともかく、数字が全くダメと自認していながら、その圧倒的にダメな計算とダメな答えを堂々と書物として公開することを職業とするような自称SF作家もSF作家なら、その計算と答えを鵜呑みにし、証拠として裁判所にまで提出した人物の愚かさは、どちらも洒落にならない。

 

「わたくし、人生初の訴訟沙汰でございます」とも明記されているが、ファンであった男性をストーカー犯として告訴し、刑事訴訟に関わっていながらの虚偽事実発言であることも手伝って、お正月だというのに後味が悪いことこのうえない。

 

そこで、この記事のタイトルに「SFのSはステキのS」と書かれているのを捩って、「ステキ」の部分を置き換えて、「SFのSは世間知らずのS」としてみた。他にも「セコイのS」「失恋のS」「しみったれのS」「ショボいのS」「ストーカーのS」「セカンドレイプのS」「嫉みのS」……などと置き換えてみたらどうかと思いをめぐらせることで、この記事による後味の悪さを口直しした。

 

今年の初笑いであった。