知らなかったは理由になりません ― 2011/03/10 01:18
知らなかったは理由になりません
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いわゆるサラリーマンの専業主婦は、昭和61年3月以前は、国民年金の任意加入者でした。ところが、4月以降は夫のサラリーマン(第2号被保険者)の妻は第3号被保険者となり国民年金保険料を支払う必要がなくなりました(経緯)。
ところが、夫のサラリーマンが退職し、自営業者になると、夫は第1号被保険者になると同時に、妻も第1号被保険者となります。この時、夫のみならず妻も国民年金保険料を支払うこととなります。しかし、妻が第3号被保険者から第1号被保険者へ変更となった際には、行政(市役所・区役所)に届ける必要があります。この届けを怠ると、国民年金保険の納付書が届かず、支払いができません。
今回問題となっているのは、この届けを怠った妻を救済するために、厚生労働省の課長が「運用3号」という通達を出し、支払ったことにするというものです。
真面目に届けを出した専業主婦は、毎月毎月保険料を支払ってきたにもかかわらず、専業主婦が忘れたのか、意図的に届けなかったかについては分かりませんが、未払いの期間全てを支払ったものとして、年金の給付を受けられるという「運用3号」は不合理・不公平で話になりません。
専業主婦の年金記録の不整合は、国民が届けを怠ったことに起因するものであり、国民の自己責任なのでありますから、「運用3号」のような救済はまったくもって不要です。行政努力が不十分という理由もQ&Aに記載されていますが、これとて国民の自己責任なのです。年金を受給する手続きは「裁定請求」と呼ばれていますが、これも受給権者が裁定請求しなければ、年金をもらうことはできません。つまり、現行の制度は、すべて国民が進んで手続を行うことを求めているのであって、国なり役所なりが、国民に手取り足取りこの手続をしなさいと通知することにはなっていません。将来の年金について、国民自身が関心をもつような啓蒙活動は、既に実施されていたわけで、それに関心を持たなかった国民が悪いのであり、今騒いでいるのであり、厚生労働省の役人も踊らされているのです。
国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者に変更になっていながら、国民年金の請求書が届かなかったから、国民年金保険料を支払っていないというのは、国民の怠慢であり、甘えであるとともに、やはり自己責任なのです。サラリーマンは税金を天引きされていますが、自営業者は確定申告により自ら税金を申告しています。つまり、自らの申告によって税金を支払っているのですから、国民年金保険料(第1号被保険者)についても自ら支払うのが当然なのです。
結論として、「運用3号」などという愚かな制度はそもそも不要なものであり、無年金者が出たとしても、自己責任なのです。正直者が馬鹿をみる「運用3号」たるものでお茶を濁そうとする厚生労働省の役人には開いた口が塞がりません。役人に踊らされて「運用3号」などを容認した民主党の長妻・細川厚生労働大臣は大臣失格です。そして、第3号から第1号被保険者への「届けを知らなかった」との声はお粗末な言い訳であり、理由にはなりません。





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